1. イタリア旅行サッカー観戦記 | 天空のミラノ
    異国の地でのサッカー観戦を通じて、サポーターの絆は強くなっていく。それはいつまでもいつまでも続くと思っている。





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    第8話 出会いと出発-4
     ケーキもなくなり、コーヒーも既にない。話しも途切れた所で、俺は切り出す。
    「そろそろ、出ましょうか。」
     二人が時計を見て、頷く。
     お会計を済ませて、搭乗口へ向かおうとすると、彼女がこう言う。
    「ごめんなさい、私は姪に頼まれたものを免税店で買わなければならないから。出国手続きの所で。」
    「じゃ、僕は、ちょっと本屋によります。」
    「じゃ、俺もちょっと本屋によりますね。」
     彼女はそそくさとその場を後にして、彼と俺は二人で本屋へ向かう。
     俺は特にめぼしいものはなかったが、彼はハリケーンという小説の文庫本を購入している。
    「機内でこれを読みながら過ごします。」
    「俺は、サッカー雑誌を買ってきているので。」
     二人で待ち合わせ場所へと向かう。彼女が歩いてくるのが見え、三人で出国手続きをすることにする。パスポートを見せ、搭乗口が近づいてくる。ついに飛行機であると、鼓動が早まっているのを感じたが、更に出発が遅れるとのアナウンスがある。掃除が遅れているらしい。何だか面倒な気持ちになり、それを彼女に伝えようとした時である。名前をまだ知らない。
    「すいません、お名前を伺ってもいいですか?俺は雨宮といいます。」
    と、俺は二人に話しかける。
    「私は、山本です。」
    「僕は、高橋です。」
    三人で、今更ながらに改めて挨拶と会釈を繰り返す。今になって考えてみると、それまで名前さえ知らずにずっとサッカーの話しをしていたのである。旅行への不安が、何か楽しいものに変わっていく瞬間を感じる。

     そしていざ、機内へ。座って落ち着いた頃、飛行機が離陸する。その間もサッカー談義が続く。レアルマドリードはどう思うか?ミラノダービーはどちらを応援するか?注目選手は誰か?などと話題には事欠かない。すると、数時間が経っており、機内食が出てくる。
     機内食はだいたいそれほど期待できないものである、というのが俺の感覚である。確かにそれを覆す程の料理ではなかったが、ミニボトルで出てきたワインがとても美味しく、恥ずかしげもなくもう一本貰えるか?と、頼んでしまう。
     食事も終わり、会話も途切れた所で、高橋さんが、小説を読み出す。山本さんは睡眠に入っていく。
     俺は、月刊海外サッカーを見たり、映画を見ていたが、少し飽きてくる。窓の外を見ても代わり映えのしない風景。ワインのせいか少し眠くなり、眠る。
     ふと目を覚ますと、シベリア上空を飛んでいるとの事で、外を見てみる。
     日本ではあり得ない暗闇の地平線の上に、鮮やかなオレンジ色とブルーが見える。どういう光の魔法かはわからなかったが、暗闇から綺麗な光の中を目指して飛んでいる様である。思わずデジカメを構え撮ってしまう。イタリアを収めようとしたカメラに一番始めに収まったのは、意外にもそんな光景になる。

    オレンジとブルー



     しかし、それにしても十二時間は長い。食事がもう一度あったが、まだあと四時間はある。二人とも気持ちよさそうに寝ているので起こすわけにもいかず、つまらない映画を見るしかない。どうしようもない。

     こうして、ミラノのマルペンサ空港に到着する。
     日本時間で15時に出発し、12時間が経過している。夜の空港には、雪が積もっていて、窓から見える様子では、雨か雪が未だ降っているようである。
     そんな中、無事飛行機から降りる。しかし「ついに到着した、イタリアに。」という感慨はない。それよりも「やっと勝負の場に辿り着いた」という安堵感と、「楽しんでやる。」という気持ちが強い。そんなミラノへの到着である。

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    テーマ:ヨーロッパ旅行記 - ジャンル:旅行

    第9話 ミラノ-1
     飛行機を降りて何となく進んでいくと、見覚えのある形をした所へ出る。預けた荷物がよく出てくる場所である。そう、ベルトコンベアの様に、預けた物が出てくる筈が、静まりかえったままである。
     しかし、俺には話す山本さんと高橋さんがいる。二人ともやはり不安気な感じである。
     脳裏を山本さんが言っていた「荷物が違う所へ行ってしまった。」との言葉が過ぎる。
     大丈夫なのか?と、時計を何度見ても、動く気配がない。来る場所を間違ったのか?とも話し合ったが、便名、出発地などは確かにここを表している。
     そう思って、ざわついてきた頃、やっとゴロゴロとローラーが動き出す音がする。しかし、すぐにそこで出てくる事もなく、暫くマシンは動いたままである。
     呆気に取られていると、やっと見慣れないスーツケースが、一つ、二つとゆっくり出てくる。しかし、一向に俺たち三人の荷物は現れない。
     何度も目の前を黒いスーツケースが通り過ぎる。俺のはわかりやすい様に紺色にしたのだから見間違えるわけがない。そして途方に暮れそうになった時に、やっと見覚えのある紺色のスーツケースが姿を現す。
     すると、次に山本さん、高橋さんの分までが現れる。こうして無事に3人でその場を離れる。出口をくぐると「サッカー観戦ツアー」の紙を持った、白髪のイタリア人らしき人に目が行く。しかし、サッカー観戦ツアーと言っても、このツアーかどうかはわからない。しかし、相手は手慣れた感じで奥の方を指す。
     とりあえず指示に従ってみると、そこには同じツアーらしき人達が固まっている。そして、日本人らしき女性の案内人が声をかけてくる。
    「こっちです。」
     そしてその女性は、山本さんにこう話しかけてくる。
    「また参加なんですか?」
     笑顔で答える山本さん。
     確かに、中年女性が一人でサッカー観戦ツアーとは珍しいから、覚えられても当然かもしれない。
     周囲を見渡せば、スーツケースにはカルチョツアーの荷札が付いている人が沢山いる。ちょっと話しかけてみると、学生の卒業旅行だったり、新婚旅行だったり、一人で参加している人など、色々な人がいる。
     そう、このとき既に3人は共同参加でもした様に振る舞っている。
     そんな内に続々と人が集まり、ツアー参加者は20人程度となる。
     それでは、ホテルまでのバスに乗車という事を、告げる。しかし誰かが「参加者は全員いるのか?」という事を言うと、案内人の女性は思い付いたように数え始める。
     緊張が走り、皆が直立不動で数えられるのを待っている。すると、1人足りない。しかし、辺りには日本人らしき人は見当たらない。案内人の女性は、周囲を歩き回るが、誰もいない様であり、戻ってくる。そして再び数え始める。
     すると、今度は1人多いと言い始める。
     手持ちの名簿を見ながら、何度か数えると、実は最初から人数は合っていたというオチが付く始末である。
     何かとスムーズに行かない。荷物の受け取りや、点呼がこれほど時間のかかる事だとは思わない。日本では珍しい事だろう。しかし、イタリアでは日常茶飯事と覚悟してきたので、気にはならない。
     こうして、やっとバスへと乗り込む事ができる。

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