1. イタリア旅行サッカー観戦記 | 天空のミラノ
    異国の地でのサッカー観戦を通じて、サポーターの絆は強くなっていく。それはいつまでもいつまでも続くと思っている。





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    第35話 帰着-3
     1件目のメール。
     (今はもう空の上かな?)
     2件目のメール。
     (いつイタリアへ行くんだっけ?)
     3件目のメール。
     (返ってこないって分かっていてもメールしちゃうね。)
     4件目のメール。
     (今日、仕事で大変な事があったんだ。また今度電話でもするね。)
     5件目のメール。
     (今日帰ってきているんだよね?電話頂戴。)
     ここまで読んで、携帯電話の電源を入れる事が遅くなったことを後悔する。そして今から電話するかと迷う。もう一度時計を確認する。12時19分である。
     理恵は、いつも結構早く寝てしまう方である。既に眠りに就いているであろう事は容易に想像できる。明日はお互いに仕事であるから、その時にメールをした方が良いように思う。
     ベッドへの引力に堪えられずに、再び眠りに就く。

     翌朝。ハッと目が覚める。8時3分。遅刻。
     俺は飛び起きて、すぐにスーツを身に纏い、職場の人へのお土産であるピザのお菓子を忘れずにバッグに詰める。朝食を食べる余裕もなく、髭を剃り、顔を洗い、髪を手櫛で整えて家を出る。
     数日前にはゆっくりと歩いていた駅前商店街を足早に歩く。
     石神井公園の駅に着くと丁度電車が来ている。俺は走り、何とかそれに乗り込む。車中は満員である。これぞ俺の日常である。
     腕時計を見ると、何とかいつもの電車に乗れている様である。
     間に合った。と一息つく。
     すると、携帯のバイブ音がする。振動のリズムが明らかに俺のものである。理恵にメールをしなければと思い出す。
     (おはよう。電話くれなかったね。どうして?)
     このメールの文面を見た瞬間にヒヤリとしたものを感じる。
     理恵は絶対に怒っている。
     直感がそう言っている。
     俺は満員電車の中、何とか携帯からメールをしようとする。そしてこう返す。
     (ごめん。昨日は疲れて帰ったら寝てしまって。)
     普通の理恵ならここで許してくれる筈である。そう、理恵は謝れば大らかに許してくれると信じていた。しかし次の返信はないまま、電車は池袋駅に着き、有楽町線に乗り換え、会社のある市ヶ谷駅へと着いてしまう。
     地下鉄有楽町線から階段を上がり、道を歩いても、理恵からのメールの返信はない。
     (ごめん。今晩電話するからさ。)
     そうメールをして、会社の入っているビルのエレベーターに乗り込む。
    「おはようございます。」
     会社は12人で構成されているWebサイトの運営や構築などを業務としている。まだ社内には2人しかいない。
    「お、おはよう。」
     笹川さんが笑顔でこちらを向く。
    「イタリア行ってきたんでしょ?」
    「はい、これ、みんなにお土産と思って。」
     俺はバッグからお菓子を取り出す。
    「おお、ありがとう。」
     理恵の事は気懸かりだったが、こうして日常の歯車は順調に動き始めるものだと思っていた。社長が来るまでは。

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    テーマ:ヨーロッパ旅行記 - ジャンル:旅行


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