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  1. イタリア旅行サッカー観戦記 | 天空のミラノ
    異国の地でのサッカー観戦を通じて、サポーターの絆は強くなっていく。それはいつまでもいつまでも続くと思っている。





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    第4話 旅行の東雲-4
     目覚めはよく、起きた。十一時までに成田空港へ集合しなくてはならない。一時間前に着くように早めの七時半には家を出る。
     家を出て少し行き、角を曲がるとるとすぐに商店街に出る。最寄り駅である西武池袋線の石神井公園駅まで、スーツケースをガラゴロと転がしながら進む。店はまだどこも開いておらず、スーツに身を固めたサラリーマンやブレザーを着た女子高生達が、駅へと向かっている。そんな日常の雰囲気を、俺のスーツケースは音を立てて壊して進んでいく。ガラゴロという派手な音に、周囲から視線を受ける。胸の内に、自分だけに許された非日常を堪能できる優越感と気恥ずかしさが混じる。
     駅に着いて電車に乗り込む時も、小さめのスーツケースとはいえ邪魔な存在である。下など見えない通勤電車でぽっかりと開いた空間の下には、スーツケースがでんと構えているわけで、それに俺はすいませんと頷いてみせるしかできない。「まったく出来の悪い家の子がすいません。」とでも言っている様に。
     しかしそれも池袋駅に着いて、山手線へ乗り換えるまでである。上野駅に着くまでは意外と乗客も多くなく、しばしの休息といった感じである。
     そして上野駅から京成上野駅まで数百メートル歩いていくと、ついにスカイライナーという特急に乗る。これで成田空港まで約一時間の旅となり、落ち着いて行く事ができる。
     車両は多少古いが、特急と名の付くだけあってそれなりに快適なシートである。ゆっくりと身体を預けると、鼓動が少し早い事に気付く。しかし相も変わらず期待感はない。どちらかと言うと不安感。何故だろうか。サッカーが好きで、文化として確実に根付いている国、イタリア。そこのサッカーを見に行き、本場ものを体感しにいく。そんな夢の様なシチュエーションであるのに、まさか未知のものに触れることが怖いわけがない。駅も終点まで行けばいいだけだし、成田空港も全くの初めてではないし、判断力もそれなりに持ち合わせた二十六歳だ。
     気を紛らわそうと、月刊海外サッカーを手に取る。いつも読んでいる週刊サッカーと同じ出版社のもので、今日の為に買ってきたものである。暫く写真を眺め、記事を読んでいると、純粋な期待感に胸が膨らんでくる。久しぶりの海外。初めてのヨーロッパ、初めての長時間飛行。自分もあと少しで、雑誌やテレビの中でしか見ることの出来なかった場面に立ち会うことができる。
     大丈夫、俺は今度の旅行を楽しめる筈。
     そう信じている。


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